末梢時計(まっしょうどけい)とは、肝臓・筋肉・脂肪組織・腸など、体の各臓器に存在する体内時計です。
脳の視交叉上核にある主時計が主に光によって調整されるのに対し、末梢時計は光ではなく、主に食事のタイミングによって同期されます。
時間栄養学は、この主時計と末梢時計、そして食事タイミングの関係を扱う分野であり、末梢時計はその中心的な構成要素の一つです。
末梢時計は、それぞれの臓器が活動するタイミングを決定する基準になります。
例えば肝臓では、食事のタイミングに応じて代謝関連遺伝子の発現が変化し、エネルギー代謝の状態が切り替わります。この変化は末梢時計によって制御されています。
食事は末梢時計にとって主要な同期因子であり、食事タイミングの安定は末梢時計の同期維持に寄与します。
末梢時計のずれには、主に次の2種類があります。
主時計と末梢時計のずれ:
光によって調整される主時計と、食事によって同期される末梢時計のタイミングが一致しない状態です。
ズレが生じた末梢時計を、光と適切な食事タイミングによって再び同期させるプロセスについては、体内時計の再同期を参照してください。
末梢時計同士のずれ:
肝臓・筋肉・脂肪組織などの各臓器の末梢時計が、それぞれ異なるタイミングで動作する状態です。
各臓器の末梢時計については、臓器別一覧を参照してください。
これらの非同期は、食事タイミングの不規則性などによって生じることがあります。
ズレが生じた末梢時計を、適切な食事タイミングによって再び同期させるプロセスについては、末梢時計の再同期を参照してください。
ファスティングは食事タイミングの再設計を伴うため、末梢時計の同期に影響を与える要因となります。
特に食事開始時刻が安定している場合、末梢時計の同期が維持されやすくなります。
詳しい設計については、16時間断食の設計と末梢時計の関係を参照してください。
BaHammam AS et al. (2023). The Interplay between Early Mealtime, Circadian Rhythms, Clock Genes, Circadian Hormones, and Metabolism. Nutrients.
食事タイミングは末梢時計の同期に影響し、臓器間の位相ずれが代謝機能に関連することがレビューされています。