主時計と末梢時計の再同期とは、主時計と末梢時計の間に生じた時間関係のずれが縮小し、 ふたたび足並みがそろう方向へ調整される過程を指します。
ここでの焦点は「どちらが正しいか」ではなく、「ずれが縮小し、そろう方向へ向かう」ことです。
主時計は 主時計(中枢時計) として、主に光の情報により調整されます。
末梢時計は 末梢時計 として、光ではなく主に食事によって調整されます。 この「同期因子の違い」により、主時計と末梢時計の時間関係が一致しにくくなる場合があります。
主時計は光によって調整され、末梢時計は主に食事によって調整されます。
そのため、起床後に光を浴びた後、活動期の早い時間帯に食事を開始することは、 主時計と末梢時計の時間関係をそろえる方向に作用します。
実生活では、起床後おおよそ1〜3時間以内に最初の食事をとることが、 体内時計の時間関係をそろえるための環境信号として機能しやすい、という目安として整理できます。
再同期は、主時計と末梢時計が同じ時間体系の中で動ける状態へ近づく方向に、時間関係が調整される過程です。
同期という概念そのものは 同期(synchronization)とは何か に整理してあります。ここでは「戻っていく過程(resynchronization)」だけを扱います。
なお、同期が回復した後も、同じ食事タイミングや光環境を継続することが、同期の維持につながります。
同期の維持については
主時計と末梢時計の同期の維持
を参照してください。
食事タイミングと体内時計(主時計・末梢時計)の関係を扱うのが 時間栄養学(chrononutrition) です。再同期は、その枠組みの中で扱われる基本的な現象の一つです。
Panda S. (2016) The circadian code / time-restricted feeding に関する総説(Science, 2016)。
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BaHammam AS et al. (2023) The Interplay between Early Mealtime, Circadian Rhythms, Clock Genes, Circadian Hormones, and Metabolism(Nutrients, 2023)。
Dallmann R. (2021) Time to eat reveals the hierarchy of peripheral clocks(Current Opinion in Physiology, 2021)。