体内時計の非同期(desynchrony)とは、主時計と末梢時計、または末梢時計同士の時間関係がそろっていない状態を指します。
体内時計は、脳の視交叉上核にある 主時計 と、各臓器に存在する 末梢時計 によって構成されています。
これらの時計は通常、光や食事といった環境信号によって時間関係が保たれていますが、 光と食事のタイミングが大きく変化した場合などに、時間関係のズレが生じることがあります。
このような状態が、体内時計の非同期です。
体内時計の同期と非同期は、 時間栄養学 で扱われる基本的な現象の一つです。
主時計は主に光によって調整され、 末梢時計は主に食事によって調整されます。
そのため、夜間の食事や不規則な食事タイミングなどにより、 末梢時計が主時計とは異なる時間関係で動作することがあります。
これは、主時計と末梢時計の非同期と呼ばれます。
末梢時計は単一ではなく、肝臓・筋肉・脂肪組織・腸など、臓器ごとに存在しています。
食事タイミングの変化に対する応答は臓器ごとに異なるため、 臓器間で異なる位相を示すことがあります。
これは、末梢時計同士の非同期と呼ばれます。
体内時計の非同期は固定された状態ではなく、 光環境や食事タイミングを調整することで、 再び時間関係がそろう方向へ調整されます。
詳しくは 主時計と末梢時計の再同期 を参照してください。
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