体内時計の非同期(desynchrony)とは何か

体内時計の非同期(desynchrony)とは、主時計末梢時計、または末梢時計同士の時間関係がそろっていない状態を指します。

体内時計は、脳の視交叉上核にある 主時計 と、各臓器に存在する 末梢時計 によって構成されています。

これらの時計は通常、光や食事といった環境信号によって時間関係が保たれていますが、 光と食事のタイミングが大きく変化した場合などに、時間関係のズレが生じることがあります。

このような状態が、体内時計の非同期です。

体内時計の同期と非同期は、 時間栄養学 で扱われる基本的な現象の一つです。

主時計と末梢時計の非同期

主時計は主に光によって調整され、 末梢時計は主に食事によって調整されます。

そのため、夜間の食事や不規則な食事タイミングなどにより、 末梢時計が主時計とは異なる時間関係で動作することがあります。

これは、主時計と末梢時計の非同期と呼ばれます。

末梢時計同士の非同期(臓器間のズレ)

末梢時計は単一ではなく、肝臓・筋肉・脂肪組織・腸など、臓器ごとに存在しています。

食事タイミングの変化に対する応答は臓器ごとに異なるため、 臓器間で異なる位相を示すことがあります。

これは、末梢時計同士の非同期と呼ばれます。

非同期は調整可能な状態

体内時計の非同期は固定された状態ではなく、 光環境や食事タイミングを調整することで、 再び時間関係がそろう方向へ調整されます。

詳しくは 主時計と末梢時計の再同期 を参照してください。

参考文献

Hirota T et al. Scientific Reports, 2012.

Challet E. PNAS, 2016.

BaHammam AS et al. Nutrients, 2023.

Takahashi JS. Nature Reviews Genetics, 2017.

Panda S. Science, 2016.