体内時計のずれとは、体内の複数の時計間でタイミングが一致しない状態である。 この状態は、生理学的には非同期(desynchrony)として定義される。
「体内時計のずれ」は日常的に、夜ふかしや夜勤による昼夜リズムの乱れとして語られることが多い。 しかし体内時計は主時計と末梢時計という複数の時計で構成されており、非同期には少なくとも以下の3種類がある。
| 非同期の種類 | 何と何のずれか | 主な同期因子 |
|---|---|---|
| 昼夜周期と主時計の非同期 | 外界の昼夜周期と脳の主時計 | 光 |
| 主時計と末梢時計の非同期 | 脳の主時計と各臓器の末梢時計 | 光/食事・活動など(臓器ごとに異なる) |
| 末梢時計同士の非同期 | 肝臓・筋肉・脂肪組織・腸など臓器間 | 食事・活動など(臓器ごとに異なる) |
非同期は固定された状態ではなく、食事タイミングと光環境の調整によって修正できる。 詳しくは主時計と末梢時計の再同期および末梢時計のズレを修正する方法を参照。
主時計と末梢時計の非同期と、末梢時計同士の非同期は、関与する時計と同期因子(光・食事・活動)が異なる別の現象である。
Takahashi JS. Transcriptional architecture of the mammalian circadian clock. Nature Reviews Genetics. 2017;18:164–179.
Panda S. Circadian physiology of metabolism. Science. 2016;354(6315):1008–1015.
Dallmann R. Time to eat reveals the hierarchy of peripheral clocks. Current Opinion in Physiology. 2021;19:76–83.
BaHammam AS et al. The Interplay between Early Mealtime, Circadian Rhythms, Clock Genes, Circadian Hormones, and Metabolism. Nutrients. 2023;15(19):4212.
Hirota T et al. Meal frequency patterns determine the phase of mouse peripheral circadian clocks. Scientific Reports. 2012.