令和8年度 共通選抜 追検査|神奈川県公立高校入試 数学

問4 関数と図形

この問題は、座標を直接計算するよりも、図に比を書き込んで処理する方が速い。特に(イ)は、同じ基準の長さを最小公倍数でそろえると、傾きが一気に見える。

まず、点Aの座標と、AD・CO・OG・OF・ODの比を書き込む。ここで勝負はほとんど決まる。

座標と比の書き込み

令和8年度追検査問4の図。A(4,8)、AD、CO、OG、OF、OD、AE、EDなどの比を書き込んだ状態。

座標と比を書き込んだ状態

気づき方|同じ基準のものを共通の目盛りにする

点Aは直線①(\(y = 2x\))上で \(x = 4\)。よって A(4, 8)
AD、CO、OGは縦方向の長さ。AE:ED=2:1、AD=CO、CO:OG=4:1 を同じ目盛りでそろえる。
COを④ではなく⑫にすると、AE=⑧、ED=④、OG=③となり、分数を出さずに処理できる。
横方向は DO:OF=5:4。縦方向の⑫と横方向の⑤を、必要なところだけ共通目盛りに直す。

A

(4, 8)

B

(−4, 8)

C

(0, 8)

D

(4, 0)

E

(4, \(\frac{8}{3}\))

F

(−\(\frac{16}{5}\), 0)

G

(0, −2)

H

(2, 4) ※(ウ)で使用

(ア) 曲線②の式 \(y = ax^2\) の \(a\) の値

(ア)約10秒

点Aは曲線②上にある。\(x = 4\)、\(y = 8\) を代入する。

計算

代入\(8 = a \times 4^2 = 16a\)
結果\(a = \dfrac{1}{2}\)

答え 2.

(イ) 直線AFの式 \(y = mx + n\) の \(m\) と \(n\) の値

(イ)(i) 傾き \(m\)約15秒

まず傾きである。AからFまでの横方向と縦方向の変化を見る。

横方向は DO:OF=5:4 なので、DFは⑤+④=⑨。これを縦方向の目盛りに合わせるため、⑤を⑥に直す。すると⑨は⑩.⑧、つまり[54]になる。

縦方向はADなので⑫、共通目盛りでは[60]である。したがって、[54]右に進むと[60]上がる。

比で解く(推奨)

横方向DF = ⑤ + ④ = ⑨。⑤を⑥に直すと、⑨ = [54]
縦方向AD = ⑫ = [60]
傾き\(m = \dfrac{[60]}{[54]} = \dfrac{10}{9}\)

確認|数値で計算すると

A\((4, 8)\)
F\(\left(-\dfrac{16}{5}, 0\right)\)
傾き\(m = \dfrac{8 - 0}{4 - \left(-\frac{16}{5}\right)} = \dfrac{8}{\frac{36}{5}} = \dfrac{10}{9}\)

数値計算でも出るが、分数が出てくる。比のまま処理すれば、傾きが1より少し大きいことも感覚的に確認できる。

答え 4. \(m = \dfrac{10}{9}\)

(イ)(ii) \(y\) 切片 \(n\)約15秒

Fは\(y\)座標が0なので、Fから\(y\)軸までを見ればよい。相似比の関係で、\(8:n = 9:4\) となる。

したがって、\(n = \dfrac{32}{9}\)。

比で解く(推奨)

相似比Aまでの上がり : y切片までの上がり = DF : OF = ⑨ : ④
\(8:n = 9:4\)
結果\(n = 8 \times \dfrac{4}{9} = \dfrac{32}{9}\)

確認|直線の式に代入すると

\(y = \dfrac{10}{9}x + n\)
Fを代入\(0 = \dfrac{10}{9}\times\left(-\dfrac{16}{5}\right)+n\)
結果\(n = \dfrac{32}{9}\)

ここでも分数計算に入るより、Fを起点にした相似比で見る方が軽い。

答え 6. \(n = \dfrac{32}{9}\)

(ウ) 四角形OGEHと三角形AHEの面積比

(ウ)約30秒

補助線としてOEを引く。四角形のまま面積を考えるのではなく、三角形に分ける。

BEと\(y\)軸の交点をIとする。BC=CA、CI∥AEなので、△BCI∽△BAEである。したがって、CI:AE=1:2。AE=⑧なので、CI=④、OI=⑧となる。

AE∥OI、AE=OIなので、四角形AIOEは平行四辺形である。Hは直線①とBEの交点なので、平行四辺形AIOEの対角線AOとIEの交点である。

面積比の分割

平行四辺形四角形AIOEは平行四辺形。対角線の交点Hにより、△HEOと△HEAの面積は等しい。
下の三角形△GOEと△AOEは、縦の底辺OG・AEを見れば高さが同じ。よって面積比は OG:AE = ③:⑧。
二等分△AOEの⑧を、OEによって④:④に分ける。
求める比S = △GOE + △HEO = ③ + ④ = ⑦、T = △HEA = ④

ここでGHに引かない

四角形OGEHを直接処理しようとすると見通しが悪い。OEを引けば、下の△GOEと、平行四辺形AIOEの半分に分かれる。補助線OEは、ほとんど条件反射にしたい。

答え \(S:T = 7:4\) (き = 7、く = 4)

この問題で見るべきこと

この問題は、座標計算で押し切ることもできる。しかし本番では、分数計算を増やすほどミスの機会が増える。

AD、CO、OGのように同じ基準の長さをそろえ、必要なところだけ横方向の比と接続する。これができると、傾きも面積比も一気に軽くなる。

数学の選択肢問題は、答えを直接出すだけでなく、図の中に解法の型が示されていることが多い。この問4は、その典型である。

解説者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と中学国語・数学を指導。中受算数で培った比と面積の感覚、国語・数学を同時に指導することで見えてきた「問題文読解と数学得点の直結」を解説に活かす。解法のパターン化・ルーチン化は認知科学のチャンク化・手続き記憶の概念と直結しており、認定心理士としての知見がこのアプローチの背景にある。

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