令和8年度の問4は、古文単語や文法の知識量を競う問題というより、人物関係・行動・前後関係を正確に追い、選択肢の差を本文に照合できるかを問う問題です。
実際の正答率は49.9~64.3%にとどまります。内容が極端に難しいというより、本文の大筋だけで選ばず、選択肢に混ぜられた一語・一要素まで確認できるかが得点差になったと考えると、各選択肢の作りが見えやすくなります。
古文も日本語です。知らない語があっても、話の流れをつかみ、選択肢を論点ごとに分解すれば解ける問題は多くあります。
令和8年度 共通選抜 本検査|神奈川県公立高校入試 国語
「あやし=不思議」に飛びつかない。物語部分は、現代の物語文と同じように選択肢を分析する。
いきなり正誤を判断せず、まず「何が論点か」「各選択肢はその論点について何と言っているか」を抜き出します。分析手順は物語文の動画でも確認できます。
→ 動画で見る|選択肢をどう分析するか
→ 物語文(文学的な文章)の解き方
選択肢を丸ごと読むのではなく、まず「殿との関係」「参った理由」「その場での状態」「仁王経の出所」に分けます。
| 「殿」との関係 | 行った理由 | 居た時の状態 | 仁王経 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 寺を建ててくれたから安心して暮らせる | 自発的 | 周囲の目を気にせず | 出所なし |
| 2 | おかげで平穏な暮らしができている | 自発的 | 目を止める人がいない | 出所なし |
| 3 | 居なくなると立ち行かない | 自発的 | 騒ぎを避けて移動し | 廊下の隅で見つけた |
| 4 | 居るから穏やかな暮らしができている | お召を受けて | 誰にも注目されないまま | 出所なし |
| 本文 | 御徳で住んでいる。 失ったら自分の存在意義がない | 召さずとも参らん | つゆ目も見かくる人もなき | 持ちたてまつりて |
1は「周囲の目を気にせず」、3は「廊下の隅で見つけた」、4は「お召を受けて」が本文とずれます。2は本文の説明と矛盾しません。
答え 2
「人々あやしく思ひ」を見て、単語帳の「あやし=不思議だ」に飛びつかないこと。何を、なぜ「あやし」と思ったのかを選択肢の差から確認します。
| 不都合な理由 | 名高い僧 | 誰? | |
|---|---|---|---|
| 1 | 住まいに来たこと | に続いて | 「殿」がよんだ |
| 2 | 住まいにいること | ではなく | 自分が呼ばれないのは変だ |
| 3 | 住まいにやってきたこと | ではなく | 「殿」がよんだ |
| 4 | 住まいで祈ること | 差しおいて | 「殿」がよんだ |
| 本文 | かく参りたるだによしなし | 召さずして | 「殿」が「こなたに呼べ」 |
本文は、高名な僧たちを呼ばず、その「ある僧」が呼ばれたことを人々が不思議・不審に思った場面です。3が最も本文の関係を正確に説明しています。
答え 3
この問題では、本文に「打つ」が二つの場面で出てきます。鬼が殿を打つ場面と、童子が鬼を打ち払う場面です。後者には「むち」が書かれているため、頭の中の映像が混ざると、鬼までむちを持っていたように補ってしまいます。
| ある僧は何をしていた | 鬼を追い払ったのは | どうやって追い払った | |
|---|---|---|---|
| 1 | 中門の横で読経 | 童子 | むちで |
| 2 | 中門の横で読経 | ある僧と童子 | むちで |
| 3 | 中門の脇にいたところ | 童子 | 取り上げたむち |
| 4 | 中門の脇にいるとき | 童子 | 読経で |
| 本文 | 中門で読経するにはそこに居る必要があります。 | 童子 | 持ちたるむちで |
しかし本文に、鬼がむちを持っていたとも、童子が鬼からむちを取り上げたとも書かれていません。③の決定的な誤りは「取り上げた」です。
答え 1
最後は、選択肢全体を精密に現代語訳する必要はありません。本文にない一語・一要素を見つければ消せます。
| NGワード | |
|---|---|
| 1 | 気分がすぐれない中でも |
| 2 | 高貴の僧たちの横に並んでいた |
| 3 | 周囲の人に聞かされた |
| 4 | なし |
1〜3には本文と一致しない具体的な要素があります。4には決定的な瑕疵がありません。
答え 4
令和8年度の問4は、古文単語や文法の知識量を競う問題というより、人物関係・行動・前後関係を正確に追い、選択肢の差を本文に照合できるかを問う問題です。
実際の正答率は49.9~64.3%にとどまります。内容が極端に難しいというより、本文の大筋だけで選ばず、選択肢に混ぜられた一語・一要素まで確認できるかが得点差になったと考えると、各選択肢の作りが見えやすくなります。
古文も日本語です。知らない語があっても、話の流れをつかみ、選択肢を論点ごとに分解すれば解ける問題は多くあります。