令和8年度 共通選抜 追検査|神奈川県公立高校入試 数学

問3(エ) 食塩水の濃度

この問題は、方程式で解くこともできる。しかし、問3の中では処理問題に近い。

食塩の量をいちいち出すより、できあがりの濃度11%からの差を天秤の腕の長さとして見る方が速い。

問題

令和8年度追検査問3(エ)。3%300g、6%200g、a%850gの食塩水を混ぜて11%1350gができたときのaを選ぶ問題。

問3(エ) 食塩水の濃度

気づき方|濃度は平均との差で見る

できあがりの濃度11%を基準にして、そこからの差を腕の長さLとして見る。
3%は11%から8L、6%は11%から5Lだけ低い。
重さは300g、200g、850gの0を1つ消して、30G、20G、85Gとして見る。
低い濃度側のモーメントGLを先に出し、それとつり合う高い側の腕の長さを求める。

ここは処理問題

この問題は、食塩の量をすべて計算せず、天秤法で軽く処理したい。

濃度は、食塩量を出す前に、平均との差を腕の長さLとして見る。モーメントGLをそろえれば、ほぼ暗算で終わる。

天秤法で解く

(エ)約30秒

%の数字は、そのまま濃度の位置として使う。11%からの差を、天秤の腕の長さLとして見る。

重さは0を1つ消して、300g、200g、850gを、\(30G,20G,85G\) と見る。

天秤法

基準できあがりの濃度は11%。ここからの差を、天秤の腕の長さLとして見る。
低い側の腕3は11から8L低い。6は11から5L低い。
低い側のGL積\(8L \times 30G + 5L \times 20G = 240GL + 100GL = 340GL\)
高い側\(a\)%の食塩水は850gなので、重さは85Gとして見る。
つり合い支点の位置を細かく考えるのではなく、\(85G\) が \(340GL\) とつり合う腕の長さを求める。
高い側の腕\(340GL \div 85G = 4L\) GとGが約分されてLだけ残る。つまり、\(a\) は11より4高い。
結果\(a = 11 + 4 = 15\)

答え 3.

方程式でも解けるが、ここでは重い

もちろん、\(300\times3+200\times6+850a=1350\times11\) と立てても解ける。ただし、問1・問2と問3の処理問題では、正解できるだけでなく、短時間で確実に抜けることが重要である。

計算用の単位は自由に名付けてよい

この解法では、濃度の差を L、10g を 1G として、自分で単位を定義した。L は腕の長さ(Length)のL。G は小文字 g を10まとめたので大文字にした。単位の名前は自由につけてよい。ただし自分で意味がわかるように。

定義した単位は、計算の中で積になる。L × G = GL という新しい単位が生まれる。

つり合いの式は \(340GL = 85G \times \square L\)。両辺を 85G で割ると、

\(340GL \div 85G = \square L\)

GとGが約分されてLだけ残り、\(\square = 4\) と出る。単位が消えていく様子が、計算の正しさを保証している。

解説者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と中学国語・数学を指導。中受算数で培った比と面積の感覚、国語・数学を同時に指導することで見えてきた「問題文読解と数学得点の直結」を解説に活かす。解法のパターン化・ルーチン化は認知科学のチャンク化・手続き記憶の概念と直結しており、認定心理士としての知見がこのアプローチの背景にある。

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