令和8年度 共通選抜 本検査|神奈川県公立高校入試 数学

問2 選択肢問題|全部計算せず、必要な情報だけを取りに行く

問2は、計算を最後までやり切る問題ではない。選択肢・符号・変化量・比・平方数を見て、答えを決めるために必要な情報だけを取りに行く問題群である。

目標時間は大問全体で3分。正面から解くのではなく、選択肢を先に見て、どこまで計算すれば番号が決まるかを判断する。

問 2 各問の解説

次の問いに対する答えとして正しいものを,それぞれあとの 14 の中から 1 つずつ選び,その番号を答えなさい。

(ア)

連立方程式 \(\begin{cases}3x+2y=6\\ \dfrac{1}{5}x-\dfrac{1}{4}y=5\end{cases}\) を解きなさい。

  • 1.\(x=4,\ y=-3\)
  • 2.\(x=5,\ y=-16\)
  • 3.\(x=6,\ y=-6\)
  • 4.\(x=10,\ y=-12\)

選択肢は、\(x\) も \(y\) もすべて異なる。だから、どちらか一方が分かれば答えは決まる。

ここでは \(y\) を消す。上の式を8で割ると、\(\dfrac{3}{8}x+\dfrac{1}{4}y=\dfrac{3}{4}\)。これを下の式と足す。

\(\left(\dfrac{3}{8}+\dfrac{1}{5}\right)x=\dfrac{3}{4}+5\)。係数は \(\dfrac{23}{40}\)、右辺は \(\dfrac{23}{4}\)。よって \(x=10\)。

答え 4.

(イ)

2次方程式 \(x^2+9x-1=0\) を解きなさい。

  • 1.\(x=\dfrac{-9\pm\sqrt{85}}{2}\)
  • 2.\(x=\dfrac{-9\pm\sqrt{77}}{2}\)
  • 3.\(x=\dfrac{9\pm\sqrt{77}}{2}\)
  • 4.\(x=\dfrac{9\pm\sqrt{85}}{2}\)

まず、\(x\) の係数が \(+9\) なので、解の公式の分子は \(-9\) から始まる。これで 3・4 は消える。

ルートの中は \(9^2-4\times1\times(-1)\)。負の数を引くので、\(81\) より増える。したがって \(85\)。

答え 1.

(ウ)

\(x\) の値が2から4まで増加するとき、2つの関数 \(y=ax^2\) と \(y=5x+1\) の変化の割合が等しくなるような \(a\) の値を求めなさい。

  • 1.\(a=\dfrac{3}{5}\)
  • 2.\(a=\dfrac{5}{6}\)
  • 3.\(a=\dfrac{6}{5}\)
  • 4.\(a=\dfrac{5}{3}\)

変化の割合を見るとき、\(y\) 切片は考えなくてよい。見るのは、\(x\) が2から4に増えたときの \(y\) の増え方である。

\(x^2\) は \(4\) から \(16\) に増えるので、増加量は \(12a\)。\(x\) の増加量は2だから、変化の割合は \(6a\)。

一次関数 \(y=5x+1\) の変化の割合は \(5\)。よって \(6a=5\)。

答え 2.

(エ)

自然数 \(a,b,c\) において、\(b\) は \(a\) を2倍した数であり、\(c\) は \(b\) を3倍した数である。\(a\) と \(b\) と \(c\) の和が252となるとき、\(a\) の値を求めなさい。

  • 1.\(a=14\)
  • 2.\(a=21\)
  • 3.\(a=28\)
  • 4.\(a=48\)

\(b\) と \(c\) を \(a\) に直す。\(b=2a\)、\(c=3b=6a\)。

つまり、\(a,b,c\) の合計は \(1a+2a+6a=9a\)。\(252\div9\) なので、答えの一の位は8になる。

選択肢で一の位が8なのは、\(28\) だけである。

答え 3.

(オ)

\(\dfrac{1050}{n}\) が自然数の平方となるような、最も小さい自然数 \(n\) の値を求めなさい。

  • 1.\(n=10\)
  • 2.\(n=21\)
  • 3.\(n=25\)
  • 4.\(n=42\)

\(1050\) は偶数だが、4の倍数ではない。つまり、素因数 \(2\) が1個不足しているので、\(n\) に \(2\) が必要である。

また、\(1050\) は3の倍数だが、9の倍数ではない。つまり、素因数 \(3\) が1個不足しているので、\(n\) に \(3\) が必要である。

したがって、\(n\) は少なくとも6の倍数でなければならない。

選択肢を見ると、6の倍数は \(42\) だけである。

よって、答えは 4. である。

答え 4.

(カ)

三角形 \(ABC\) は \(AB=AC\) の二等辺三角形であり、2点 \(B,C\) は直線 \(\ell\) 上の点である。\(AB=AC=5\) cm、\(BC=6\) cm のとき、この二等辺三角形を直線 \(\ell\) を軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。ただし、円周率は \(\pi\) とする。

  • 1.\(16\pi\ \mathrm{cm^3}\)
  • 2.\(32\pi\ \mathrm{cm^3}\)
  • 3.\(64\pi\ \mathrm{cm^3}\)
  • 4.\(96\pi\ \mathrm{cm^3}\)

選択肢はすべて「\(\pi\) つき」で並んでいる。だから、\(\pi\) は最後まで書かなくてよい。見るべきなのは、\(\pi\) の前の数だけである。

二等辺三角形なので、頂点 \(A\) から \(BC\) に下ろした高さは \(BC\) を半分に分ける。半分は3 cm。\(AB=5\) cm だから、\(3:4:5\) より高さは4 cm。

回転すると、半径4 cm、高さ3 cmの円すいが上下に2個できる。円すい1個の \(\pi\) の係数は、\(\dfrac{1}{3}\times4^2\times3=16\)。

同じ円すいが2個あるので、\(16\times2=32\)。

答え 2.

解説者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と中学国語・数学を指導。中受算数で培った比と面積の感覚、国語・数学を同時に指導することで見えてきた「問題文読解と数学得点の直結」を解説に活かす。解法のパターン化・ルーチン化は認知科学のチャンク化・手続き記憶の概念と直結しており、認定心理士としての知見がこのアプローチの背景にある。

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