神奈川県の追検査問題は、カナロコでは掲載されていない。県のページでは著作権の問題で本文が見られない。従って、冒頭の枠(リード文)と選択肢だけで答えることになる。これは中学生には難しいと思うが、何度も訓練すればできないことではないと考えている。実際の読み取り方を以下で確認していく。奇を衒うわけではない。これで文章構造が読み取れるようになり、本文ありの問題でも読解力の向上に役立つ。
→ なぜ選択肢先読みなのか → 物語文の解き方
令和8年度 共通選抜 追検査|神奈川県 公立高校入試 国語
神奈川県の追検査問題は、カナロコでは掲載されていない。県のページでは著作権の問題で本文が見られない。従って、冒頭の枠(リード文)と選択肢だけで答えることになる。これは中学生には難しいと思うが、何度も訓練すればできないことではないと考えている。実際の読み取り方を以下で確認していく。奇を衒うわけではない。これで文章構造が読み取れるようになり、本文ありの問題でも読解力の向上に役立つ。
→ なぜ選択肢先読みなのか → 物語文の解き方
起の場面。「俺らしい、か」という息子からの言葉がある。退場処分を言い渡すような人間と評されて、自嘲気味に漏れた言葉と読むのが妥当。時系列で判断する。
4が正解。
1はここで諦めたなら話にならない。除外。3は判断を尊重している場合「お父さんらしい」とは言わない。文脈的に不適切。除外。2と4の残り、「俺らしい、か」は息子の指摘が十分に言語化できており、退場処分=厳しい判定=お父さんらしい=融通が利かない父像、という連鎖が読める。時系列判断で4。
答え 4
承の場面。息子のことを何も知らなかった驚きと、理性では当時の自分だったら何ともならなかったことは知りつつ、言ってくれたら何とかなったかもしれないという思いが入り混じる。承には心の揺らぎが欲しい。
1が正解。
2は毒親的な内容はありえない。除外。3は融通の利かない父が当時受け入れたとは、父親本人も思っていないはず。除外。4は「なんで、言ってくれなかったんだ」という場面に勝ち負けはそぐわない。除外。1が残る。
答え 1
まだ承か、転まで来ているか。「穏やかな」という描写がある。穏やかとは波風が立っていない、平穏な心の状態。
4が正解。
1は冷静と穏やかは違う——冷静は感情を抑制している状態、穏やかは波風が立っていない状態。除外。2は和やかと穏やかも微妙に違う——和やかはむしろ外向きの明るさを含む。除外。3は(イ)同様、当時の父が受け入れたとは考えにくい。除外。4の「落ち着いた=心が波風立たず平穏な時」が穏やかに対応する。
答え 4
転の場面。受け入れられない事実と、会話の中から生まれた息子をいとおしいと思う親心が交差する。
3が正解。
1はなるべくかかわらないようにする、はありえない——この物語の方向性と真逆。除外。2は本筋からのずれが大きい。除外。4は転を迎えた今、当惑は合わない——当惑は起〜承の感覚。除外。3の「心の距離が縮まる」が転にふさわしい。
答え 3
(ア)〜(エ)まで来た時点で、選択肢自体がストーリーの起承転結を形成していることが確認できる。
(ア)自嘲・起 → (イ)揺らぎ・承 → (ウ)平穏・承〜転 → (エ)距離が縮まる・転 → (オ)大人と子供のはざま・結 → (カ)総括
令和6・7・8年度本検査に続き、追検査でも同じ構造が確認された。
結の場面。本文がないとさすがに難しい。ただし、大学生という年齢と、穏やかになったという流れから判断する。大学生はまだ大人と子供のはざまにいる年齢——揺らぎがなければ問題にしにくい。
3が正解。
4は頑固さは物語の結に合わない。除外。大学生という年齢と穏やかになったという流れを考えれば、両面を持つことが自然——1の大人びた面だけでは決まり過ぎている。積年の思いが一回の対話でそこまで達観するのは強すぎる。3の両面。
答え 3
総括。親が自分の思いとは違っても、子供の成長を見た時の思いを書けば正解。逆算した物語の流れ:息子のことが分かっていなかった→息子から本心を言ってもらえていなかった→息子の成長を認め、内容は真反対なのにそれがうれしい→大学生はまだ大人と子供のはざま→息子の人生の肯定。
1が正解。
2はあるがままを受け入れると肯定は違う——受け入れは受動的、肯定は能動的。除外。3は本音を伝えあってきた、は明確に違う——この物語は本音を伝えてこなかった関係の話である。除外。4は冒頭枠の話と食い違う。除外。1が残る。
めでたしめでたし
父は息子を理解したのではない。受け入れたのである。それぞれが別々の人生を歩む一人の人間であることを認めた瞬間だった。
答え 1
本文なしでこの問題を解く鍵は、リード文の読み取りにある。「退場処分への後悔」「音信不通」「意識はしっかり」という三点から、父の人物像と物語の方向性が確定する。教育的配慮から毒親は登場しないという前提も、選択肢の除外に直接機能した。
令和6・7・8年度本検査に続き、追検査でも選択肢が起承転結に沿って配置されていることが確認された。(ア)起→(イ)承→(ウ)承〜転→(エ)転→(オ)結→(カ)総括という構造は一貫している。→ 物語文の解き方(詳細)
本文なしでは(オ)が最も判断しにくい。ただし「大学生はまだ大人と子供のはざまにいる」という年齢の文脈と、「積年の思いが一回の対話で達観するのは強すぎる」という物語のテンポ感から、1より3を選ぶ判断は合理的である。