最終更新日:2026-04-08
配偶者が認知症かもしれないと感じたとき
配偶者ケース特有の心理的負担
親の認知症であれば、きょうだいと分担したり、「家族で相談しよう」という発想になりやすい。しかし配偶者の認知症は、「自分の責任・義務」という感覚が強くなりやすく、外部に頼ることへの抵抗も大きくなる。
「まだ大丈夫」「自分たちで何とかできる」という気持ちで抱え込んでしまうことが多い。しかしこの「抱え込み」が、後になって取り返しのつかない問題を生むことがある。
見落とされやすいリスク:自分が先に亡くなった場合
配偶者が認知症の場合、自分が先に亡くなるリスクを考えておく必要がある。
自分が亡くなった瞬間、子ども世代は突然「認知症の親の全責任」を引き受けることになる。葬儀・相続手続き・財産整理・認知症の親の今後の生活、これらが同時に押し寄せる。準備なしでその状態に直面した子どもがパニックになるのは当然である。
なるべく認知症が軽度のうちに専門職とつながっておくことは、自分自身のためだけでなく、子ども世代を守ることにもなる。
早めに外部とつながることの意味
「自分が何とかしなければ」という気持ちを否定したいわけではない。
ただ、専門職とつながることは「丸投げ」ではない。本人と家族の意思を守りながら、必要なときに必要な支援を受けられる状態を作ることである。その準備を、まだ余裕がある今の段階でしておくことが、配偶者を、自分を、そして子どもを守ることになる。
今すぐできること
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1
地域包括支援センターへの相談
配偶者のことで最初にすることは、地域包括支援センターに相談することである。家族からの相談を受け付けており、一人で抱え込まなくてよいことを確認しに行く場として使える。受診の勧め方や言い方についても一緒に考えてもらえる。急激な悪化・幻覚・妄想・せん妄・転倒・脱水、または脳卒中や薬の影響など他の病気の可能性があるときは、まず医療機関を受診すること。
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2
医療機関への受診
地域包括支援センターに相談した上で、必要に応じてかかりつけ医やもの忘れ外来への受診につなげる。本人が嫌がる場合は、自分だけで先に相談することも可能。
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3
社会福祉士との接点を持つ
本人(認知症の配偶者)と社会福祉士が早期につながることで、本人の価値観・意思・判断基準を専門職が知ることができる。それが将来の支援の根拠になる。
認知症かもしれないと感じたときの共通の行動指針は、家族が認知症かもしれないと感じたときのページも参照してほしい。本人が受診を拒み、認めない状態が強いときは、本人が認めないけどどうすればいいのかを整理したページも役立つ。
夫が認知症かもしれないと感じたとき、妻はどう動けばよいか
ここでは「夫」という言葉で書いているが、本質的には、これまで判断や対外的な役割を担ってきた人に変化が出たときに家族が直面しやすい問題を扱っている。
夫に認知症の疑いを感じたとき、妻が直面しやすいのは「どう言えば受け入れてもらえるか」という問題である。夫側には「弱みを見せたくない」「管理される側になりたくない」という心理が働きやすく、妻からの提案を「指図」と受け取ることがある。提案の内容より、誰から言われたかで判断する傾向があるためである。まず妻一人で地域包括支援センターに相談し、夫への伝え方も含めて一緒に考えてもらうことが有効である。
夫が認知症の受診を嫌がるとき、どう勧めればよいか
受診を嫌がるときの本質は、説得より先に相手の心理を理解し寄り添うことから始めることである。夫側には「弱みを見せたくない」「管理される側になりたくない」という心理が働きやすい。「認知症の検査に行こう」という直接的な表現はその抵抗を強めることが多い。「健康診断のついでに」「最近の調子を聞いてもらおう」という形で、認知症と結びつけずに受診につなげる方法が有効なことがある。どの言い方が本人に届きやすいかは、地域包括支援センターに相談すれば、一緒に考えてもらえる。
妻が認知症かもしれないと感じたとき、夫が最初に考えること
ここでは「妻」という言葉で書いているが、実際には、日々の生活や家族内の調整を担ってきた人に変化が出たときに家族が直面しやすい問題を扱っている。
妻側には「家族に心配をかけたくない」「自分で何とかできる」という心理が働きやすく、症状を隠すことが上手なため、家族が気づくのが遅れるケースがある。夫が異変を感じても「気のせいかもしれない」と判断を保留しやすいが、「あれ?」と感じた段階で動き始めることに意味がある。まず地域包括支援センターに相談し、現状の整理から始めることができる。
妻が認知症の受診を嫌がるとき、どう勧めればよいか
受診を嫌がるときの本質は、説得より先に相手の心理を理解し寄り添うことから始めることである。妻側の拒絶は「弱みを見せたくない」より「家族に迷惑をかけたくない」という動機から来ていることが多い。「心配だから一緒に行きたい」という夫からの寄り添いの表現が、抵抗を和らげることがある。受診の勧め方に迷ったときは、地域包括支援センターに相談すれば、妻の状況を伝えた上で言い方も含めてアドバイスをもらえる。
急激な悪化・幻覚・妄想・せん妄・転倒・脱水、または脳卒中や薬の影響など他の病気の可能性があるときは、まず医療機関を受診すること。
免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じた法的・医療的・税務的助言を行うものではありません。実際の対応は、本人の状態、家族構成、財産状況、関係機関との状況等によって異なります。具体的な対応については、地域包括支援センター、医療機関、司法・福祉の専門職等にご相談ください。
配偶者間での財産管理や契約行為は法的影響を伴う場合があります。状況に応じて専門職への相談を検討してください。
