最終更新日:2026-04-09

認知症 本人が認めないけどどうすればいいの

認知症かもしれない家族が受診を拒んでいるとき、最初にすることは、本人に認めさせたり説得したりすることではなく、あなたが地域包括支援センターに相談することである。本人を急いで変えようとするのではなく、状況を整理することである。本人が拒むときには、拒むなりの理由がある。家族が先に専門家とつながることが、本人を守るための第一歩になる。

なぜ、本人に「認めさせたい」のか

まず、ご自身の目的を一度整理してみてください。なぜ、受診させたいのですか。なぜ、本人に「認知症であること」を認めさせたいのでしょうか。

もしその理由が漠然としているなら、一度立ち止まってみてください。家族が受診を急ぐ本当の理由は、診断という「終わりの宣告」を突きつけるためではなく、本人が「自分らしさ」を守るための第一歩を手に入れるためであるはずです。

「認めない」のは、自分を守るためのまっとうな防衛である

本人にとって認知症の診断は、病名そのものよりも、運転・お金・家のこと・役割など「これまでの自分」を失う入口のように感じられることがあります。

「終わりの宣告」をされると感じる人が、「宣告されないことで自分を守ろうとする」のは、ある意味で非常に合理的で人間らしい反応です。無理に認めさせようとするほど、その防衛本能をさらに刺激し、家族への不信感を深める結果になりかねません。

物忘れを指摘して、だから受診しろは逆効果になりやすい

本人が拒否しているとき、家族が「正しいこと」を強く言っても、関係がこじれることがあります。物忘れの指摘は、本人に能力否定として受け取られやすく、受診の話は決定権を奪われる話として感じられやすいからです。

大切なのは、本人を言い負かすことではなく、その人が受け取りやすい形で、今の困りごとを共有することです。これまでの関係の中で、その人がどんな言い方に耳を傾け、どんな言い方に強く反発してきたかを思い出してみてください。

無理な説得やごまかしではなく、本人らしさを守ることを主軸にする

本人が認めないときに大切なのは、無理に認めさせることではありません。本人が本人らしく生活を続けられるように、支え方を整えることです。

本人にとって「認めること」が、自分の誇り・役割・尊厳まで失うことに結びつくと、現実より先に自分を守ろうとします。逆に、誇りや役割が守られると感じられれば、現実を受け入れやすくなることがあります。

状況を見極めるための4つの視点

本人の態度の現れ方は、一律ではありません。少なくとも次の4つの要素が複雑に絡み合っています。

状況を聞かずに「こうすれば正解」と言い切ることはできません。だからこそ、あなたが専門家に「わが家の状況」を話し、客観的な見立てをしてもらうことが不可欠なのです。

結論:まず、あなたが専門家に相談してください

本人が認めないときの最初の答えは、無理に病院へ連れていくことではありません。まず、あなたが地域包括支援センターなどの専門家に相談してください。本人が受診していなくても、家族だけで相談できます。

本人が動けない今、あなたが先に専門家とつながることで、「本人を説得する敵」ではなく、「本人の生活を守るためのチーム」としての準備を始めることができます。本人が本人らしく暮らし続けられる形を探すこと。その共通の願いを出発点にすれば、受診や支援はもっと自然な形でつながり始めます。

本人が認めないままでも、地域包括支援センターに相談してよいですか。

はい。本人が受診していなくても、家族だけで相談できます。最初の答えは、本人を無理に病院へ連れていくことではなく、家族が状況を整理して専門家とつながることです。

物忘れを指摘して受診を勧めるのはよくないですか。

物忘れの指摘は、本人に能力否定として受け取られやすく、家族への不信感や受診拒否を強めることがあります。生活上の困りごとや安全の問題を共有する形の方が支援につながりやすくなります。

健康診断と偽って受診させればよいですか。

だまして受診させると、診断後に家族や医療機関への不信感が残り、その後の支援を受け入れにくくなることがあります。危険が切迫している場合を除き、まず家族が専門家に相談し、本人の尊厳を傷つけにくい支援の入り方を考えることが重要です。

地域包括支援センターはどう探せばよいですか。

厚生労働省:地域包括支援センター一覧から、都道府県を選び、各都道府県のページからお住まいの市区町村を調べることができます。

家族の初動と、社会福祉士が早期に関わる意味の詳細はこちら。

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免責事項

本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じた法的・医療的・税務的助言を行うものではありません。実際の対応は、本人の状態、家族構成、財産状況、関係機関との状況等によって異なります。具体的な対応については、地域包括支援センター、医療機関、司法・福祉の専門職等にご相談ください。

急激な悪化・幻覚・妄想・せん妄・転倒・脱水、または脳卒中や薬の影響など他の病気の可能性があるときは、まず医療機関を受診してください。