令和7年度 共通選抜 本検査|神奈川県公立高校入試 数学 正答率 0.4%

問3(ア) 相似の証明と三角形の面積

正答率0.4%の問題である。難問ではない。BG=FG=FB=2cmという気づきから正三角形を見つけ、30°60°90°の直角三角形の連鎖を追うだけである。

無理に計算を省略している箇所もあるが、目的は時間短縮だけではない。計算そのものにかかる時間は大したことがなくても、数値の細部を気にする精神的負荷と、確認のための検算が丸ごと不要になる。

(i) 証明の穴埋め

(a)

\(\widehat{BD}\) に対する円周角は等しいから、(a)

  • 1.\(\angle ABC = \angle ADC\)
  • 2.\(\angle AED = \angle BEC\)
  • 3.\(\angle BAC = \angle BDC\)
  • 4.\(\angle BAD = \angle BCD\)
判断 \(\widehat{BD}\) に対する円周角の等式。円周角なので他に選びようがない。**4.**

答え 4.

(b)

\(\widehat{CG}\) に対する円周角は等しいから、(b)

  • 1.\(\angle AHD = \angle BHG\)
  • 2.\(\angle BAG = \angle BDG\)
  • 3.\(\angle CAG = \angle CDG\)
  • 4.\(\angle DAG = \angle DBG\)
判断 \(\widehat{CG}\) に対する円周角の等式。証明の流れから \(\angle CAG = \angle CDG\) が必要。**3.**

答え 3.

(ii) 三角形 ADH の面積

BC = 4cm、BG = FG = 2cm のとき、△ADH の面積を求める。

発火連鎖|BG=FG から始まる連鎖

BG = FG = 2cm、FB = 2cm → △FBG は正三角形
∠BFG = 60° → △FCD も正三角形(CF=DF より二等辺+∠FCD=60°)
∠FCD = 60°、∠ACB = 90°(直径) → ∠ACD = 30°
円周角より ∠AGD = 30° → CDとAGの交点Iで ∠CIG = 90°(錯角)
BC = GD = 4cm(等脚台形)→ DI = 2cm、CI = 4cm
△IAC は 30°60°90° → AI = CI/tan60° = 4/√3 = 4√3/3
△IAD∽△IDH(垂線) → IH を求めて AH を確定

なぜ解説を読んでわかった気になるのに、次の問題で使えないのか

他の解説は「△FBGが正三角形なので…」という書き方をする。これはすでに正三角形と気づいた後の世界を記述している。BG=FG=FB=2cmという3辺が等しいという気づきは、条件を読んだ瞬間に走る連鎖の結果である。

連鎖ごとルーチン化することで、初見問題でも同じ判断ができるようになる。

計算の流れ

等脚台形の確認 CF=DF より△FCDは二等辺三角形。弧BCと弧GDは等しいので BC=GD=4cm。
DI・CI の確定 GD=4cm、GはDから2cm(BG=2、BC=4よりGはBCの中点から2cm)。DI=2cm、CI=4cm。
AI の計算 \(\angle CAI = 60°\) より \(AI = \dfrac{CI}{\tan 60°} = \dfrac{4}{\sqrt{3}} = \dfrac{4\sqrt{3}}{3}\)
IH の計算 \(\triangle IAD \backsim \triangle IDH\) より \(DI:AI = IH:DI\)。\(\dfrac{2}{\frac{4\sqrt{3}}{3}} = \dfrac{IH}{2}\)。\(IH = \dfrac{2 \times 2}{\frac{4\sqrt{3}}{3}} = \dfrac{4 \times 3}{4\sqrt{3}} = \dfrac{3}{\sqrt{3}} = \sqrt{3}\)
AH の確定 \(AH = AI + IH = \dfrac{4\sqrt{3}}{3} + \sqrt{3} = \dfrac{4\sqrt{3}}{3} + \dfrac{3\sqrt{3}}{3} = \dfrac{7\sqrt{3}}{3}\)
△ADH の面積 \(\dfrac{1}{2} \times AH \times DH = \dfrac{1}{2} \times \dfrac{7\sqrt{3}}{3} \times 2 = \dfrac{7\sqrt{3}}{3}\)

答え \(\dfrac{7\sqrt{3}}{3}\) cm² (あ=3、い=7、う=3)

解説者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と中学国語・数学を指導。解法のパターン化・ルーチン化は認知科学のチャンク化・手続き記憶の概念と直結している。

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