令和7年度 共通選抜 本検査|神奈川県公立高校入試 数学

問2

無理に計算を省略している箇所もあるが、目的は時間短縮だけではない。計算そのものにかかる時間は大したことがなくても、数値の細部を気にする精神的負荷と、確認のための検算が丸ごと不要になる。

解説

(ア)

\( (x-5)^2 - 7(x-5) - 18 \) を因数分解しなさい。

  • 1.\( (x-14)(x-7) \)
  • 2.\( (x-14)(x-3) \)
  • 3.\( (x-7)(x-4) \)
  • 4.\( (x-4)(x-3) \)
判断 \(x-5 = t\) とおくと \(t^2-7t-18=(t-9)(t+2)\)。\(t\) を戻すと \(x=14\) または \(x=3\)。定数項の積で確認。
処理 定数項:\(-14 \times (-3) = 42\)。選択肢 2. の定数項 \((-14)(-3)=42\)。

答え 2.

(イ)

2次方程式 \( 5x^2 + 7x + 1 = 0 \) を解きなさい。

  • 1.\( x = \dfrac{-7 \pm \sqrt{29}}{10} \)
  • 2.\( x = \dfrac{-7 \pm \sqrt{69}}{10} \)
  • 3.\( x = \dfrac{7 \pm \sqrt{29}}{10} \)
  • 4.\( x = \dfrac{7 \pm \sqrt{69}}{10} \)
使用パターン 数直線イメージ法 / 必要情報限定法
判断 分子の符号は \(-7\) なので 1. か 2. に絞られる。
処理 ルートの中:\(7^2 - 4 \times 5 \times 1 = 49 - 20 = 29\)。

答え 1.

(ウ)

関数 \( y = -4x^2 \) について、\( x \) の値が \(-5\) から \(-1\) まで増加するときの変化の割合を求めなさい。

  • 1.\( -24 \)
  • 2.\( -16 \)
  • 3.\( 16 \)
  • 4.\( 24 \)
使用パターン 数直線イメージ法
判断 変化の割合 \(= -4(x_1 + x_2) = -4 \times (-5+(-1)) = -4 \times (-6) = 24\)。
確認 \(y=-4x^2\) で \(x\) が負の範囲から増加する→ \(y\) は減少する→変化の割合は負。よって \(-24\)。

答え 4. \(-24\)

(エ) 正答率 40.3%

ある工場で生産している製品Aについて、今週と先週に生産した個数を比べると、今週は先週より1割増え、今週と先週に生産した個数をあわせると567個だった。このとき、この工場で今週に生産した製品Aの個数を求めなさい。

  • 1.270個
  • 2.283個
  • 3.284個
  • 4.297個
使用パターン 入力制約系(数の性質で絞る)
判断 先週を \(x\) とすると今週は \(1.1x\)。合計 \(2.1x = 567\)。
処理 567 を 7 で割ると 81。81 を 3 で割ると 27。先週 = 270 個。今週 = \(270 \times 1.1 = 297\) 個。

正答率 40.3% の理由

方程式を立てずに「今週が先週より多い」という情報だけで選択肢を絞ろうとする生徒が多い。1割増しという条件を正確に式にして、7で割って3で割るという手順を踏めば一意に決まる。

答え 4. 297個

(オ)

\( 4 < \sqrt{n} < 5 \) をみたす自然数 \(n\) のうち、\( \sqrt{2n} \) が整数となるような \(n\) の値を求めなさい。

  • 1.\( n=12 \)
  • 2.\( n=18 \)
  • 3.\( n=24 \)
  • 4.\( n=32 \)
使用パターン 入力制約系(素因数の性質で絞る)
判断 \(16 < n < 25\)。1. は \(n=12\) で範囲外。4. は \(n=32\) で範囲外。1. と 4. は消去。
処理 残り 2.(\(n=18\)) と 3.(\(n=24\))。\(\sqrt{2n}\) が整数 → \(2n\) が平方数。\(2 \times 18 = 36 = 6^2\)。\(2 \times 24 = 48\) は平方数でない(3の因子が奇数乗)。

答え 2. \(n=18\)

(カ)

四角形 ABCD は AD∥BC、∠BCD = 90° の台形で、AD = 2cm、BC = CD = 3cm。直線 \(\ell\) を軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。ただし、円周率は \(\pi\) とする。

  • 1.\( 13\pi\ \text{cm}^3 \)
  • 2.\( 15\pi\ \text{cm}^3 \)
  • 3.\( 19\pi\ \text{cm}^3 \)
  • 4.\( 25\pi\ \text{cm}^3 \)
使用パターン 乗除約分法 / 直角三角形連鎖術
判断 大きい円錐(半径3・高さ9)から小さい円錐(半径2・高さ6)を引く。5:12:13 の直角三角形より高さは底辺の3倍。
処理 \(\dfrac{\pi}{3}(3^2 \times 9 - 2^2 \times 6) = \dfrac{\pi}{3}(81 - 24) = \dfrac{57\pi}{3} = 19\pi\)。3 を約分してから計算する。

答え 3. \(19\pi\ \text{cm}^3\)

解説者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と中学国語・数学を指導。解法のパターン化・ルーチン化は認知科学のチャンク化・手続き記憶の概念と直結しており、認定心理士としての知見がこのアプローチの背景にある。

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