最終更新日:2026-04-03

認知症の親の財産管理で兄弟間トラブルになるのはなぜか

よくある光景がある。介護の労力を担っている側が親のお金を使いながら動いている。遠くにいる兄弟が「勝手に使っている」と見る。やっていない側は口だけ出す。これがなぜ起きるのかを整理する。

典型的なパターン

近くにいる子どもが介護の実務を担い、日々の支払いや手続きのために親のお金を使っている。その使い方の記録がなく、遠くにいるきょうだいには何も見えていない。

遠くにいる側は「なぜそんなにお金が減っているのか」「自分に相談なく決めている」と不満を持つ。しかし自分は動かない。口だけ出す。やっている側は「何もしないのに文句だけ言う」と怒る。こうして対立が深まる。

トラブルの本質は兄弟関係ではない

兄弟トラブルの原因は、兄弟の仲が悪いことではない。本人が意思決定の場にいない、という構造的な問題にある。

本人が不在だから、それぞれが「自分の判断が正しい」と思い込む。それぞれの判断に根拠がないから、対立が収まらない。

本人不在のまま進むとどうなるか

本人の意思が確認されないまま財産管理が進むと、管理している側は「善意でやっている」つもりでも、後から使い込み疑惑をかけられることがある。記録がなければ証明できない。財産の処分について、後から法的問題が生じることもある。

本人の判断能力が低下してからこの状態を解消しようとすると、法的な手続きが必要になる場合が多く、費用・時間・関係の修復に大きなコストがかかる。

本人の意思を軸に置くと対立の構図が変わる

「兄弟vs兄弟」という構図を変えるには、本人の意思を中心に置くことが最も有効である。

中立的に本人の意思を代弁する専門職として、社会福祉士が入ることで対立の構図が変わる。「誰が正しいか」ではなく、「本人だったらどう考えるか」が判断の軸になる。

皆の納得を得やすいのは、本人の意思を根拠にした判断である。それを支えることが社会福祉士の役割のひとつである。

社会福祉士が中立的に本人の意思を代弁する役割について詳しくはこちら。

→ 社会福祉士の役割を読む → 他専門職との違いを読む

免責事項

本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じた法的・医療的・税務的助言を行うものではありません。実際の対応は、本人の状態、家族構成、財産状況、関係機関との状況等によって異なります。

家族間の財産管理や役割分担は、相続や後見制度などの法的問題を含む場合があります。対立がある場合は早めに専門職へ相談することをおすすめします。