最終更新日:2026-10-08

神奈川県公立高校入試で「選択肢対策」が重要な理由

選択肢をどう使うかで、得点が変わる。

このページについて

令和8年度の神奈川県公立高校入試(共通選抜・本検査)では、5教科500点のうち455点が通常の選択肢式問題だった。選択肢をどう使うかは、答案の形式の問題ではなく、得点に関わる戦略である。

「選択肢対策」の定義は選択肢対策とはにまとめている。このページでは、なぜ神奈川県公立高校入試で重要なのかを、配点と出題構造から説明する。

令和8年度の配点:455点が通常の選択肢式

教科通常の選択肢式その他
国語94点記述式6点
英語95点記述式5点
数学66点数字を選んでマークする形式34点
理科100点―
社会100点―

94 + 95 + 66 + 100 + 100 = 455点である。数学の残る34点も、求めた数字をマークシート上で選ぶ形式である。選択式であることは、神奈川県の入試では単なる答案形式ではない。選択肢がある以上、その選択肢自体を、問題を解くための情報として使える。

配点の出典と集計方法

配点は、神奈川県教育委員会が公表している令和8年度の正答表(全日制の課程)による。

「455点」は県教育委員会が示した数字ではなく、北川塾が上の正答表の配点から集計した値である。集計では、記述式の設問(国語 問五の6点、英語 問5の5点)と、数学の数字を選んでマークする形式の設問(34点)を除いた設問の配点を、教科ごとに合計した。対象は本検査(全日制の課程)で、追検査は含まない。

「マークシートだから」ではなく「選択肢が与えられているから」

マークシート方式への対策は、塗りずれを防ぐ、訂正方法を確認するといったものが一般的である。それも必要だが、別に考えるべきことがある。選択肢そのものを利用して、問題を解く対策である。使い方は教科ごとに違う。

処理量そのものが問題になる

神奈川県の入試では、文章、資料、グラフ、表、複数の条件を、限られた時間で処理する。すべてを同じ密度で処理すれば、正解できる問題は多い。しかし本番には時間制限がある。正解できるかどうかに加えて、どれだけの時間と処理量で正解まで到達するかが重要になる。

数学の例では、北川塾の過去問解説は、令和8年度 本検査の問1(5問)を1分以内、問2(6問)を3分を目標に処理する前提で分析している。計算を最後までやり切るのではなく、選択肢を先に見て、どこまで計算すれば番号が決まるかを判断する。

数学の例|令和8年度 本検査 問2(エ)

a、b = 2a、c = 6a の和が252だから、9a = 252。252 ÷ 9 の一の位は8になる。選択肢で一の位が8なのは28だけである。割り算を最後まで実行する前に、番号が決まる。答えが一意に決まった時点で、その計算は終わりである。

これは「途中までしか解かない」ということではない。選択式問題で求められているのは、正しい番号を決めることだからである。解説の全文は神奈川県公立高校入試 過去問解説で公開している。

国語:選択肢が、設問の流れをつくっている

国語は、通常の選択肢式が94点で、記述式は6点である。物語文では、選択肢自体が起承転結の構造を形成している。戸惑い(起)、気づき(承)、変化(転直前)、クライマックス(転)、あらすじの確認(結)、総括という順に、感情変化の流れに沿って設問が配置されている。令和6年度・7年度・8年度の3年とも、この構造が確認された。前の設問の選択肢を読むだけで、次の設問の文脈が絞れる。

本文から選択肢へ向かうだけでなく、選択肢から論点、論点から本文へ向かう読み方が成り立つのは、このような出題構造があるからである。

英語・理科・社会

英語は95点、理科・社会は100点がすべて通常の選択肢式である。英語のリスニングでは、選択肢の違いが、そのまま聞くべき情報になる。理科・社会では、複合した選択肢を小さな判断に分解できる。ただし、社会では、選択肢が知識そのものを生み出してくれるわけではない。選択肢でできるのは、どの知識を使えばよいかを限定することである。

北川塾が指導の中心にするのは国語・数学で、英語・理科・社会は他塾との併用で対応している。

時短テクニックだけではない

選択肢対策の目的は、単に早く解くことではない。不要な処理を減らし、取るべき問題に時間と集中力を残すことである。見たことのない資料や覚えていない知識に出会っても、選択肢の差分と、問題文から分かる情報、手持ちの基礎知識を組み合わせれば、候補を減らせることがある。

この考え方を、実際の神奈川県公立高校入試の過去問を使って指導しているのが北川塾である。指導内容は北川塾の選択肢対策にまとめている。

よくある質問

神奈川県公立高校入試では、選択式の問題はどのくらいありますか。

令和8年度の共通選抜・本検査では、5教科500点のうち455点が通常の選択肢式問題だった。内訳は、国語94点、英語95点、数学66点、理科100点、社会100点である。

数学の「数字を選んでマークする形式」とは何ですか。

数学の残る34点は、求めた数字をマークシート上で選ぶ形式である。通常の選択肢式とは別に数えている。

マークシート対策と選択肢対策は同じですか。

同じではない。マークシート対策は答えを正しく記録するための対策で、選択肢対策は答えそのものをどう決めるかという解答方法である。

執筆者

北川誠二

個別指導塾TOMAS現役講師・北川塾主宰・認定心理士

中学受験4教科と高校受験の国語・数学を指導。神奈川県公立高校入試の過去問を、正解だけではなく「なぜその選択肢を消せるのか」「何を見ればよいのか」という解く順番から分析している。

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