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GEO対策シリーズ

GEO対策|業者の技術力はここでわかる

GEO対策を業者へ依頼するときに、見るべきこと、尋ねるべきことを整理します。

確認するのは、「何を作るのか」だけではありません。

何のために行うのか。
何が変われば達成なのか。
なぜ、その方法を選ぶのか。

目的、効果の目標、選択する手段がつながっているかを確認します。

FAQを作る。構造化データを入れる。外部からの言及を増やす。ナレッジグラフを強化する。

こうした施策名だけでは、業者の技術力は分かりません。文章やコードを作るだけなら、生成AIや一般的なツールでもできます。実績や顧客の声など、発注者から情報を得なければ作れないものもあります。

業者の判断力が表れるのは、何を目指し、どの変化を成果とし、そのために何を選び、何を選ばないかを、個別の会社や商品に即して説明する部分です。

AIを過信する人は、判断までAIができると言い、判断を避けたい業者は、作業を判断であるかのように語ります。どちらも、本当に人がやるべき部分を見えなくしている点では同じです。

最終更新:2026年7月28日

このページで確認すること
  1. 目的・効果の目標・手段を分ける
  2. AIでできる作業と、業者の判断を分ける
  3. 発注者にしか出せない事実を、業者の手柄にしない
  4. 専門用語を、具体的な確認質問に置き換える
  5. 公開後まで対応する契約かを確認する

最初に確認するのは、目的・効果の目標・手段

手段から話を始めると、後から目的らしい説明を付けることができます。

依頼前には、次の順番で確認してください。

1. 目的何を解決するための施策ですか。
2. 効果の目標何が変われば、目的を達成したと判断しますか。
3. 選択する手段その目標に対して、なぜこの方法を選びますか。

目的が定義されていない施策には、検証基準もありません。

何を達成したいのかが決まっていなければ、公開後に何を測ればよいかも、手段が正しかったかも判断できません。

作業と技術力を分けて見る

GEO対策には、生成AIや一般的なツールで効率化できる作業、発注者から情報を得なければ成立しない部分、業者の判断力が問われる部分が混在しています。

次の表では、それぞれを分けて整理します。

項目AIや一般ツールで簡単にできること業者だけでは完結しないこと業者の判断力が問われること
概念の整理文章の段落分け、重複整理、指定された単位でのページ分割顧客が実際にどこを混同しているか、自社ではどの違いを重要と考えているか近接する概念を同じページ内で比較するか、別ページで単独のテーマとして扱うかの判断
外部からの言及プレスリリースや紹介文の下書き実際の実績、出来事、評価、エピソードなどの一次情報どの媒体に、どの文脈で、なぜ言及されるのが自然かという必然性の設計
構造化データJSON-LDコードの原案作成事業、部門、商品、著者、実績主体が実際にどのような関係にあるかの確認何をどの主体と結び付け、どの粒度で示すかの設計と検証
FAQ作成想定質問や回答文の作成、表現の整理顧客が実際にどのような言葉で質問し、どこで誤解しているかという情報どの質問を優先し、FAQ、本文、独立ページのどこで扱うかの判断
主体と関係の整理会社、商品、人物、事業の候補抽出や関係図の作成実際の責任主体、所属、実績、契約関係、事業構造の確認何と何を結び付け、何とは明確に分ける必要があるかの判断
効果の確認順位、引用、関連リンク、本文採用の有無などの記録問い合わせ、商談、売上など、事業側で起きた変化の共有何を成果とし、どの結果を見て次の行動を決めるかという基準の設計

左側にある作業も必要です。しかし、それだけで業者独自の技術力を示すものではありません。

文章を短くする、FAQを作る、コードを書く、聞き取った情報を整理するといった作業を、特別なGEO技術であるかのように大きく説明していないか確認してください。

一方、右側の判断については、正しそうな案を示すだけでは不十分です。なぜその方法を選んだのか、どの事実を根拠にしているのか、何を変えるための施策なのかまで、個別の案件に即して説明できるかが判断材料になります。

確認する質問

  • この施策は、何を解決するために行うのですか。
  • 何が変われば、目的を達成したと判断するのですか。
  • 複数の方法から、なぜこの方法を選んだのですか。
  • その判断は、どの事実に基づいていますか。

専門用語を禁止するのではなく、目的と判断へ戻す

構造化データ、サイテーション、E-E-A-T、エンティティ、ナレッジグラフなど、GEO対策では専門用語が使われます。

専門用語を使うこと自体が問題なのではありません。問題は、用語や作業名を詳しく説明しても、目的、効果の目標、選択理由が示されないことです。

分からない用語をすべて覚える必要はありません。業者の説明を、次の質問に戻してください。

それは、何のためですか。
自社では、何が変わるのですか。
なぜ、その方法なのですか。

以下のQ&Aでは、業者が使う専門用語をそのまま見出しに残し、具体的に何を確認すればよいかを整理します。

業者からこう言われたら、何を聞くか

Q.「ナレッジグラフを強化します」と言われました

「ナレッジグラフを強化する」という言葉だけでは、何のための施策か分かりません。

会社と商品を正しく結び付けるためなのか、同姓同名の別人との混同を防ぐためなのか、AI回答で実績主体を正確に示すためなのか、指名検索時の誤情報を減らすためなのかによって、必要な対策は変わります。

まず聞くこと:何のためにナレッジグラフを強化するのですか。

次に聞くこと:公開後に何が変われば、その目的を達成したと判断するのですか。

目的を説明できない提案には、成果を判断する基準もありません。

Q.「ナレッジパネルを出した実績があります」と言われました

ナレッジパネルが表示された事実と、業者の施策によって表示されたという因果関係は別です。

現在のソースコードと検索結果を見せられても、構造化データの実装とパネル表示の前後関係や、ほかの情報源の影響までは分かりません。

確認すること:施策前の画面、実施内容、実施時期、初めて表示を確認した時期、同じ時期に増えた外部情報、同じ方法でも表示されなかった事例を確認してください。

表示を保証する説明や、一つのコードが直接の原因だと断定する説明には注意が必要です。

Q.「サイテーションを増やします」と言われました

サイテーションとは、外部のサイトや第三者から、会社、商品、実績などについて言及されることです。

重要なのは掲載数ではなく、その媒体が、その会社について言及する自然な理由があるかです。

確認すること:誰が、どの媒体で、どの事実について、どのような経緯で言及する予定ですか。

実績も関係もないのに、記事やリンクだけを作ることはできます。しかし、それは第三者からの自然な評価とは異なります。

Q.「構造化データを設定します」と言われました

JSON-LDのコード自体は、生成AIでも原案を作れます。難しいのは、実際の事業構造を確認し、何をどの主体と結び付けるかを決めることです。

確認すること:何の情報を、どの会社、事業、商品、人物と結び付けるために、この構造化データを設定するのですか。

「AIに正しく理解させるため」だけでは一般論です。何と何を、どの事実に基づいて結び付けるのかまで確認してください。

Q.「FAQを増やします」と言われました

FAQの質問文や回答文を増やすだけなら、生成AIでもできます。

重要なのは、顧客が実際にどこで迷い、どのような言葉で質問し、何を誤解しているかを把握することです。

確認すること:なぜこの質問を選び、本文や独立ページではなくFAQとして置くのですか。

FAQの数ではなく、質問の選び方と置き場所に判断力が表れます。

Q.「E-E-A-Tを高めます」と言われました

著者名、資格、監修者、プロフィールを表示するだけで、経験や信頼性が自動的に高まるわけではありません。

確認すること:誰の、どの経験や実績を、どの説明の信頼性につなげるのですか。

表示項目の追加ではなく、その内容を語る立場として適切な人物や事業者か、確認できる事実があるかを見ます。

Q.「記事をテーマごとに分けます」と言われました

指示された文章を複数ページに分けるだけなら、生成AIでもできます。

難しいのは、何を一緒に説明し、何を分けるべきかを決めることです。

確認すること:なぜ同じページで扱うのですか。なぜ別ページに分けるのですか。

利用者の疑問、その後に取る行動、検索意図、ページの役割まで説明できるかを確認してください。

依頼前に確認する共通事項

対象を決める

どのAI・検索機能、どのクエリ、どのページを対象にするのかを確認します。「AI全般」のような説明ではなく、対象を具体化します。

成果の役割を決める

会社名が出ればよいのか、引用元になるのか、選択理由や比較軸として使われたいのかを確認します。「AIに出る」だけでは粗すぎます。

事実の出所を確認する

業者が作った情報なのか、発注者が提供した一次情報なのか、外部の第三者が確認した事実なのかを分けます。

契約範囲を確認する

公開して納品完了なのか、公開後の確認まで含まれるのか、未達時の対応が追加費用になるのかを確認します。

公開後の測定と未達時の対応は、別に確認する

このページでは、依頼前に業者の提案を評価する方法を扱っています。

公開後は、施策前に決めた対象、目的、効果の目標を基準として、実際にどこまで認識され、何が未達だったかを確認する必要があります。

測定条件、未達状態の分解、原因仮説、修正、再測定、継続・変更・終了判断については、施策後の診断を扱う別ページで詳しく説明します。

よくある質問

Q. 業者には、まず何を聞けばよいですか?

「何をするのですか」だけでなく、「何のために行うのですか」「何が変われば達成なのですか」「なぜその方法を選ぶのですか」と聞いてください。

作業内容は詳しく説明できても、目的や選んだ理由を説明できない場合は、判断の部分が抜けている可能性があります。

Q. 専門用語が多く、説明がよく分かりません

分からない用語をすべて理解する必要はありません。

「それは何のためですか」「自社では具体的に何が変わりますか」「何が変われば達成ですか」と、普通の言葉に置き換えて説明してもらってください。

専門用語を使うこと自体ではなく、目的、作業、判断基準に置き換えられないことが問題です。

Q. AIでも簡単にできる作業を、高度な技術のように説明されていませんか?

文章を短くする、表を作る、FAQやコードの原案を作るといった作業は、生成AIでも比較的簡単にできます。

その作業自体を技術力として評価するのではなく、なぜ自社に必要なのか、どの結果を変えるために行うのかを確認してください。

Q. AIに判断させれば、業者は必要ないのではありませんか?

生成AIは、複数の構成案や改善案を出せます。

しかし、企業が実際に持つ事実、顧客の疑問、検索結果、予算、公開上のリスクを踏まえ、どの案を採用するかについては、最終的に人が責任を持って決める必要があります。

AIが案を出せることと、その案を採用すべきだと判断することは同じではありません。

Q. 公開後の確認については、何を聞けばよいですか?

公開して納品が完了するのか、公開後に結果を確認するところまで含まれるのかを聞いてください。

確認や未達時の対応が契約に含まれるのか、追加費用になるのかも確認しておきます。

Q. 業者がこのページを見て、あらかじめ回答を用意していたらどうしますか?

回答を用意していること自体は問題ではありません。

確認したいのは、一般論を説明できるかではなく、今回の会社、商品、サービス、検索結果に即して説明できるかです。

対象とするAIや検索機能、クエリ、ページ、使用する情報、判断理由などを具体的に聞いてください。その説明が実際の事業や公開情報と一致し、確認できる事実に基づいているかが判断材料になります。

このページに書かれた模範的な回答を言えるだけでは、業者の技術力や判断力は分かりません。

まとめ

GEO対策で業者の技術力を見るときは、作業名や専門用語の数では判断できません。

確認するのは、目的、効果の目標、選択する手段がつながっているかです。

作業を大きく見せる説明ではなく、目的と判断を具体的に説明できるかを確認してください。

執筆・検証

北川誠二

IT技術者・認定心理士/株式会社丸景

1986年にソフトウェア会社を設立し、プログラミング言語の教材執筆と情報システム開発に携わる。1988年からはUNIX環境での業務システム開発に従事し、その後、ウェブ制作、検索・情報構造の設計へ領域を広げた。認定心理士として、認知負荷や人の判断過程にも着目し、GEO・LLMO・ARPOを設計・検証している。

著者プロフィール・外部典拠 →
公開日:2026年7月28日 株式会社丸景