最終更新日:2026-05-10

社会福祉士に何を求めるか

社会福祉士に求めることは、制度の知識や手続きの正確さだけではない。その人の人生を一緒に振り返り、本人の言葉にならない意思を読み解き、家族それぞれの背景を理解した上で伴走できるかどうかである。その提案を、自分の親にも同じ気持ちでできるか。それが、社会福祉士を選ぶ本質的な基準だと考える。
このページでは、筆者の価値観として読んでもらいたい。公的機関や職能団体の情報は制度説明が中心になりやすく、支援観の違い・力量差に踏み込みにくい構造がある。一般論を言っていれば、それらと変わらない内容になってしまう。

社会福祉士の探し方

社会福祉士を探すときは、活動地域で検索し、その社会福祉士のホームページから支援観を確認することから始めることを勧める。公的機関や職能団体にも情報は載るが、その特性上、特定個人を強く評価できない・他者との差を強調しにくい・理念差や力量差に踏み込みにくいという問題を内包している。

実際には、本人主体をどう考えるか・家族との向き合い方・在宅限界をどう見るか・制度をどう使うか・本人の言葉と現実条件をどう調整するかに、かなりの差がある。良し悪しよりも、合う合わないが重要な判断材料である。ホームページや問い合わせの段階で、その社会福祉士の支援観が見えることが大切であり、その支援観が自分の求める支援と一致するかで判断するのがよい。

本人主体をどう考えるか

本人の言葉をそのまま尊重することが本人主体ではない。その人が人生を通じて大切にしてきたものを軸に置くことが、本人主体の本質である。

たとえば、他人との付き合いが苦手だからテリトリーを守りたい、だからホームには行きたくないという意思がある。しかし、金銭的に困難なこともある。また、自宅で介護となると、自分の城に他人が上がりこむ状態になる。その事実を知れば、施設の方が良いと思うかもしれない。子どもの幸せを大切に思って生きてきた人が、在宅介護によって子どもに多大な負担をかける事実を知ったら、在宅を貫くことがむしろつらい状況になるかもしれない。

どちらが正解ということはない。その人の人生によって答えは違う。だから、その人の人生を一緒になって振り返り、一緒になって未来を見てくれるような人にお願いしたいと思う。

家族との向き合い方

親の老後を考えるとき、兄弟姉妹、その配偶者で見えている親は違う親である。厳しかった父として見ている人もいれば、支えてくれた父として見ている人もいる。夫婦であれば、夫婦として歩んできた道のりは、親子とは全く違う。だから「親のため」と思っていることが食い違うことがある。

家族との向き合い方を語るために、筆者自身の経験を書かせてほしい。

私の母は、妻が妊娠中に病気で亡くなりました。

最後の母からの意思表示は、私のボタンダウンの襟のボタンが外れているという指摘でした。最後にできた意思の確認は、私が「愛されて育ててもらったことはわかっている。お腹の子も母さんが僕を育てた時みたいに育てる」と約束した時、何もできない母が目をつぶったまま涙を一杯に貯めたことでした。だから、あの闘病生活は悔いはないし、母もわかってくれたと思います。

母のボタンの話も、涙の話も、言葉にならない意思表示でした。それを読み解けたのは、私が母のことを知っていたからです。そこには、本人の価値観・家族へのメッセージ・人生を通じて大切にしてきた姿勢・言葉にならない意思表示がすべて詰まっていると思います。

本人の言葉だけでなく、行動・習慣・人生史から価値観を読み解くこと。家族それぞれが持つ背景・関係性・葛藤を理解し、支援の方向性に反映させること。そして家族が、その瞬間に悔いなくたどり着けるよう、情報・制度・対話を整えながら伴走すること。社会福祉士にも、同じことを期待したいと思う。

これを一言で言えば——その提案を、自分の親にも同じ気持ちでできるか。

親にするのと同じ気持ちで伴走してもらいたい。それが、この価値観に共感できる社会福祉士を選ぶということである。

社会福祉士を選ぶ基準は何ですか。

資格や専門分野の確認も大切ですが、より重要なのはその社会福祉士の支援観です。本人主体をどう考えるか、家族との向き合い方、在宅限界をどう見るか。その提案を自分の親にも同じ気持ちでできるか、が一つの基準になります。

本人主体とはどういう意味ですか。

本人の言葉をそのまま尊重することが本人主体ではありません。その人が人生を通じて大切にしてきたものを軸に置くことが本人主体の本質です。言葉にならない意思を、人生史・行動・習慣から読み解くことが求められます。

社会福祉士によって支援の質は違いますか。

同じ社会福祉士でも、支援観はかなり異なります。本人主体の考え方、家族との向き合い方、制度の使い方に差があります。良し悪しよりも、自分の求める支援と合うかどうかが重要な判断材料になります。

中立的な選び方の理論はこちら。社会福祉士の役割の詳細はこちら。

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免責事項

本ページは筆者個人の価値観・経験に基づく情報提供を目的としており、すべての社会福祉士の評価を行うものではありません。個別の事情に応じた専門的助言については、各専門職にご相談ください。