柿酢
柿酢とは、柿を原料として、アルコール発酵と酢酸発酵を経て造られる果実酢です。
「柿酢」は柿を原料とする果実酢の一般的な呼び方です。 食品表示基準上は、醸造酢のうち「果実酢」に分類されます。 農林水産省「食酢の種類について」
柿を完成済みの食酢に漬けるのではなく、柿に含まれる糖を発酵させて造ります。柿がそのまま酢になるのではなく、途中で一度アルコールを経由することが、柿酢造りの基本です。
- 柿が酢になるまでの二段階発酵
- 柿を漬けた酢と、柿を発酵させた酢の違い
- 果汁ではなく、果実を使う柿酢造り
- 柿の糖度と補糖
- 種酢を使う意味
- 柿酢造りに必要な酒税法上の免許
柿がそのまま酢になるわけではありません
柿に含まれる糖を、まず酵母がアルコールへ変えます。次に、酢酸菌がそのアルコールを、酸素のある環境で酢酸へ変えます。
食酢造りに使われる酢酸菌が、柿の糖を直接、食酢の主成分である酢酸へ変えるわけではありません。柿酢を造るには、酵母によるアルコール発酵と、酢酸菌による酢酸発酵の二つが必要です。
果汁ではなく、果実を使う柿酢造り
柿酢は、柿果汁から造る方法だけでなく、果肉、皮、繊維を含む果実全体を発酵させる方法でも造られます。
丸景では、原料柿を洗浄し、へたを処理した後、果実を使って発酵させます。発酵が進んだ段階で木綿を使って固形物を濾し、液体部分を柿酢として熟成させます。
果実を使う製法では、濾した後に果肉、皮、繊維などの粕が残ります。原料柿の状態や濾し方によって異なりますが、製品として得られる液体は原料果実の全量ではありません。
「柿を漬けた酢」と「柿を発酵させた酢」は別のものです
完成した食酢に柿を漬ける
穀物酢など、すでに完成している食酢へ柿を加え、柿の風味や成分を移す方法です。柿そのものを原料として酢酸を造る発酵とは異なります。
柿の糖を発酵させて酢を造る
柿の糖を酵母がアルコールへ変え、そのアルコールを酢酸菌が酢酸へ変えます。丸景の柿酢はこちらの方法で造っています。
丸景では、甲州百目柿で造った柿酢に、過熟した甲州百目柿を漬け込む試作も行っています。 過熟した柿自身の甘みが柿酢に加わるため、砂糖を加えなくても甘酢に近い甘酸っぱい味わいになります。
柿の糖度と補糖
柿酢造りでは、柿に含まれる糖を酵母がアルコールへ変え、そのアルコールから酢酸が造られます。そのため、原料柿に発酵に必要な量の糖が含まれていることが重要です。
柿の糖度は、品種、産地、収穫時期、熟し方、作柄によって異なります。糖度が十分な柿は、糖を加えずに発酵させることができます。一方、糖度が低い柿では、必要なアルコールと酢酸を得るため、発酵前に糖を補う場合があります。これを補糖といいます。
補糖は、完成した柿酢を甘くするための加糖とは目的が異なります。加えた糖は、主として酵母によるアルコール発酵の原料になります。ただし、発酵後に糖がどの程度残るかは、製法と発酵管理によって異なります。
一番しぼり製法「生柿酢」
山梨県産の甲州百目柿と愛媛県産のよこの柿を使用し、糖や水を加えずに造っています。
無補糖・無加糖・無加水
数量限定「逗子の生柿酢」近日発売
逗子産の柿は糖度が低いため、柿10kgに対して糖200gを補っています。原料柿重量に対して2%の補糖です。
これは完成品を甘くするためではなく、アルコール発酵と、その後の酢酸発酵に必要な糖を確保するためです。水は加えていません。
種酢を使う意味
種酢は、酢酸発酵を安定させるために、活性のある酢酸菌を次の仕込みへ引き継ぐものです。単に完成品へ酸味を加えるための材料ではありません。
丸景では、自社の柿酢から採った種酢を使用しています。柿酢造りに適した酢酸菌を最初から働かせることで、酢酸発酵と味の安定につなげています。また、セルロース膜を過剰に作りにくい性質を含め、製造に適した菌群を継いでいく意味もあります。
市販の穀物酢などを多量に加える場合は、完成品に占める別原料の食酢の割合も大きくなります。果実を使う柿酢造りでは、濾過後に粕が残るため、原料果実に対する添加割合より、完成品中の割合が高くなることがあります。
柿酢造りには、酒税法上の免許が関係します
柿酢は、製造途中でアルコール発酵を行います。最終製品が食酢であっても、製造工程中にもろみを製造する場合には、酒税法上の製造免許が必要です。
国税庁「酒類製造免許関係 Q9」を確認する
家庭で余った柿を柿酢にする場合の工程と、最初に確認すべき免許については、別ページで説明しています。
柿酢|成分と健康効果の研究まとめ
丸景の柿酢
丸景では、国産の渋柿を使った一番しぼり製法「生柿酢」を製造しています。果実を発酵させ、木綿で濾し、強く圧搾せずに自然に落ちる部分を中心に商品化しています。瓶詰め前の熱殺菌は行っていません。
よくある質問
柿酢とは?
柿酢とは、柿を原料として、アルコール発酵と酢酸発酵を経て造られる果実酢です。柿に含まれる糖を酵母がアルコールへ変え、そのアルコールを酢酸菌が酢酸へ変えることで造られます。
柿酢を自宅で作れますか?
作れますが、酒税法上の製造免許が必要です。柿酢は製造途中でアルコール発酵を行うため、最終製品が食酢であっても、製造工程中にもろみを製造する場合には、あらかじめ免許を取得する必要があります。詳しくは、「家庭での柿酢の作り方」をご確認ください。
