家庭での柿酢の作り方
最初の手順は、柿を仕込むことではなく、もろみの製造免許を取得することです。
柿酢は、柿の糖を酵母がアルコールに変え、そのアルコールを酢酸菌が酢酸へ変える二段階の発酵食品です。一般的な製法では、途中で酒税法上の「もろみ」を製造します。
- もろみの製造免許を取得する
- 柿の汚れや傷んだ部分を取り除く
- 柿を潰してアルコール発酵させる
- 空気に触れさせ、酢酸発酵させる
- 木綿の袋で濾す
- 濾した柿酢を空気に触れさせて熟成する
1.もろみの製造免許を取得する
製造場所を管轄する税務署へ相談し、もろみの製造免許を取得してから仕込みを始めます。
もろみの製造免許1件につき、登録免許税120,000円がかかります。
最終的にお酢にする場合でも、柿をアルコール発酵させ、酒税法上のもろみを製造する工程には免許が必要です。
国税庁「酒類製造免許関係 Q9」を確認する
2.柿の汚れや傷んだ部分を取り除く
収穫した柿から、へた、傷んだ部分、腐敗した部分、異物などを取り除きます。
自然酵母で発酵させる場合は、柿の表面に付着した酵母を残すため、洗わずに仕込む方法があります。ただし、カビや腐敗に注意してください。
丸景の場合
丸景では、販売する食品の原料であるため、柿を洗浄しています。洗浄後も発酵を安定させるため、選抜酵母を使用しています。
3.柿を潰し、アルコール発酵させる
柿を潰し、自然酵母を働かせるか、酵母を加えます。酵母は、柿に含まれる糖をアルコールへ変えます。
自然酵母を使う場合も、選抜酵母を使う場合も、糖をアルコールへ変える工程であることは同じです。
4.空気に触れさせ、酢酸発酵させる
アルコール発酵が十分に進んだ後、液体を空気に触れる状態にします。酢酸菌は酸素を利用し、アルコールを酢酸へ変えます。
丸景の場合
丸景では、以前に造った柿酢から種酢を取り、次の仕込みに使用しています。ここでいう種酢は、単に酸味を加えるための殺菌済み食酢ではありません。柿酢造りに使用してきた酢酸菌を引き継ぎ、酢酸発酵と味を安定させるために使います。
5.木綿の袋で濾す
アルコール発酵が十分に進み、酢酸発酵も適度に進んだ段階で、木綿の袋などを使って果肉、皮、繊維を濾します。
発酵の進み方は、気温や室温などの環境によって大きく変わるため、濾すまでの適切な期間を一律に示すことはできません。
濾すことは、酢酸発酵を終わらせることではありません。固形物を取り除いた後も、液体中に残っているアルコールは、熟成中に酢酸菌によって酢酸へ変わっていきます。
丸景の場合
丸景では、目の粗い木綿の袋を使い、強く圧搾せず、自重によって自然に落ちる柿酢を取り出します。この方法を「一番しぼり製法」と呼んでいます。
6.濾した柿酢を熟成させる
濾した柿酢を、酢酸菌が働けるよう空気に触れる状態で熟成させます。熟成中も、残っているアルコールの酢酸化が進み、酸味や風味が整っていきます。
カビや腐敗が見られた場合は、使用せず廃棄してください。
市販の食酢を加えることと、酢酸菌を投入することは別です
殺菌済みの市販食酢を加えると仕込みの酸度は上がりますが、生きた酢酸菌を投入したことにはなりません。
市販食酢を混ぜただけで、工程中のアルコール分が必ず1度未満に保たれるとは限りません。個別の製法については、仕込み前に所轄税務署へ確認してください。
丸景の生柿酢
丸景では、国産の渋柿を洗浄し、選抜酵母と柿酢由来の種酢を用いて、無加糖・無加水で柿酢を造っています。
