柿酢の成分|ポリフェノール・アミノ酸・有機酸の研究

柿酢には、酢酸のほか、ポリフェノール、アミノ酸、有機酸などが含まれます。ただし、その量や組み合わせは一律ではありません。公的試験場や大学の研究から、原料や発酵・製法によって成分がどう変わるのかを整理します。

柿酢の成分は、すべて同じではありません

柿酢は、柿をアルコール発酵と酢酸発酵によって食酢にしたものです。食酢として共通する主成分は酢酸ですが、酢酸以外の成分は、原料となる柿の品種、果皮や果肉の使い方、発酵に関わる微生物、発酵期間、加水、ろ過などによって変わります。

ここでは、奈良県、山形県庄内地域、岐阜県海津市で行われた研究を取り上げます。いずれも特定の試作品や既存の柿酢を調べた研究であり、すべての柿酢の平均的な成分を示すものではありません。

製法によって、ポリフェノール量は変わります

奈良県工業技術センターでは、柿の利用方法や酵素処理、発酵方法を工夫し、ポリフェノール量の多い柿酢を造る研究が行われました。

試作された柿酢では、比較対象となった市販柿酢の5~10倍のポリフェノール量が報告されています。これは、柿酢のポリフェノール量が「柿酢だから一律に多い」のではなく、原料の処理方法や製法によって大きく変わり得ることを示しています。

ただし、特定の方法で造られた試作品の結果です。市販されているすべての柿酢に、同じ量のポリフェノールが含まれるわけではありません。

長期発酵柿酢から、オルニチンやGABAなどが分析されています

山形県庄内地域では、庄内柿を原料に2年以上かけて造られてきた既存の長期発酵柿酢が調べられています。

メタボローム解析では、アミノ酸や有機酸を含む100種類を超える極性化合物が検出され、オルニチン、GABA、シトルリン、アルギニンなども分析されました。

原料の柿果汁、発酵途中のもろみ、完成した柿酢などの比較から、オルニチンは発酵中の微生物によって生成された可能性が検討されています。

一方、この研究は、同じ原料で発酵期間だけを変えた比較ではありません。確認された成分の特徴が、庄内柿という原料、2年以上という期間、関与した微生物、その他の製法のどれによるものかは、完全には切り分けられていません。

試作柿酢と穀物酢では、糖や有機酸などに違いが見られました

岐阜県海津市では、富有柿から試作した柿酢と、市販穀物酢の成分が比較されています。

試作柿酢では、比較対象となった穀物酢より糖度とグルタミン酸が高く、リンゴ酸やコハク酸も検出されました。

この結果は、どちらも酢酸を含む食酢であっても、原料や製法によって、糖、アミノ酸、有機酸などの組み合わせが異なる場合があることを示しています。

ただし、比較されたのは特定の試作柿酢と特定の市販穀物酢です。すべての柿酢と穀物酢の違いとして一般化することはできません。

成分が多いことと、飲んだ後の変化は同じではありません

柿酢からポリフェノール、アミノ酸、有機酸などが検出されたことは、その柿酢の成分を示す結果です。一方、成分を多く含むことだけで、人が飲んだ後に健康上の変化が起きるとは限りません。

柿酢の研究には、主に次の段階があります。

それぞれの研究から分かることは異なります。例えば、ポリフェノール量の多い柿酢が造れたとしても、それだけで人が飲んだ後の抗酸化作用まで確認されたことにはなりません。

柿酢を人が飲んだ後の変化については、「柿酢の抗酸化作用」のページで整理しています。

柿酢の抗酸化作用|人が飲んだ研究で分かったこと

まとめ

柿酢からは、酢酸のほか、ポリフェノール、アミノ酸、有機酸などが調べられています。

研究では、製法を工夫した高ポリフェノール柿酢、オルニチンやGABAを含む長期発酵柿酢、グルタミン酸やリンゴ酸などに特徴のある試作柿酢が報告されています。

これらは特定の柿酢を調べた結果ですが、柿酢の成分は一律ではなく、原料、微生物、発酵期間、製法によって多様に変わることを示しています。

柿酢は、単に酢酸を含む食酢というだけでなく、原料となる柿と発酵の違いが成分に現れる食品です。